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マイミクの“ともさん。”が以前から薦めていた山本一力。深川を中心とした時代小説が多く、人気のある作家らしいです。深川界隈に親戚が住んでいるので、馴染みがあることから手始めに『損料屋喜八郎始末控え』を読んでみたのですが、あっという間にはまってしまい、続編の『赤絵の桜』を買い求め、普段文庫にならないと購入しないのにタイトルにそそられて衝動買いしてしまったハードカバーの『銀しゃり』、上述3冊を読了してすぐさま買い求めたのが、『銭売り賽蔵』、『深川黄表紙掛取り帳』と『欅しぐれ』の3冊。とにかく怒濤のはまり具合でした。ようやく落ち着いてきたので、時代小説の偉大な先駆者である池波正太郎の『食卓の情景』と開高健の『最後の晩餐』を購入。
今回の購入時の大きなポイントはすべて“食”に関することです。もちろん食がテーマの本ばかりではありませんが、文中食について触れられている読み物を注視して選びましたね。山本一力、池波正太郎と言った時代小説のウェイトがあるので、当然作中の料理は和食が大半です。池波正太郎と開高健のエッセイは洋の東西を問わない内容ですが、文章に書かれた料理を想像するのは非常に楽しく、是が非でも食べてみたいという衝動に駆られます(笑。
『損料屋喜八郎始末控え』は訳あって武家勤めから町人となった喜八郎とその仲間達の頭脳戦を描いた作品で、他の山本一力作品にも共通する鯔背なオトコたちと、かれらを支える女たちの粋な姿が堪りません。続編の『赤絵の桜』は敵役の伊勢屋がある意味主役の悪事一辺倒ではない姿も見られて読み応えがあります。『銀しゃり』は鮨職人の成長を描いた作品で、後半にかけての展開がやや乱雑に感じるけど、主人公を支える人たちの心意気をストレートに感じることができるので、読み応えはあります。ただ、何冊も読んでくると共通する事項がステレオタイプ化してくるのも事実で、少々食傷気味になりますね。
そんなわけで、山本一力もエッセイを出しているのですが、敢えて外してみて池波正太郎と開高健のエッセイを選んだ次第です。双方とも、食通で知られる作家なので、自分の狭い食文化を広げる為にも選んだのも理由ですね。山本一力もそうですが、文才のある人が食について書くとあたかもその料理が眼前にあるかのような錯覚に陥りますね。文章の力なのか、自分の食い意地の為せる技なのかはわかりませんが(笑
『ヒトデ~』は組織論ですね。従来の「リーダーが存在してトップダウンによる垂直的な組織構造」をクモ型と、インターネットの普及によって顕著になった「リーダーは存在せず、水平的で権限が分散された組織構造」をヒトデ型として二通りの組織構造で捉えられるとのこと。そして、クモ型よりヒトデ型の方がこのWEB時代に適合した組織形態だと謳っています。
その組織形態をeBayやSkypeやトヨタなど実際の企業を挙げて説明しています。クモは頭を攻撃され、敗れるとそこで死滅しますが、重要な器官を5つの足に分散化されているヒトデは仮に半分が攻撃されても分裂して生き残る確立が非常に高いことから、このような組織構造をヒトデ型として捉えられています。古くはアパッチ族がその組織形態を実現していて、本書でも多くの箇所でアパッチ族を取り上げています。
必ずしもトップダウンによるクモ型が悪いのではなく、ヒトデ型もすべてうまく行くわけではないことも示唆しています。筆者は両方の利点を合わせた組織構造が望ましいとしていますが、これはクモ型組織下における独立採算組織が当て嵌まるのかと思います。
本書もテーマに対しての明確な答えを敢えて出していないのですが、一読する価値は絶対あるかと思いますね。
今回セレクトした新書は2タイトル。
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」と「バール、コーヒー、イタリア人」です。前者は映画字幕を専門とする翻訳家の話で、一般的な外国語の翻訳と異なり恐ろしく制約条件の多い中で適切な言葉を当てはめることの難しさ、おもしろさと言った舞台裏的内容です。確かに役者の台詞を丁寧に訳していたら、次の展開に間に合わないですからね~。
後者の「バール~」はイタリアのBarについて記した本です。まだ購入しただけで未読ですが、イタリアでのバール体験が深く印象に残っている身として、追体験できればいいなと思ってます。スタバやタリーズなどのシアトル系カフェはかなり認知度をあげましたが、ルーツであるバールはまだ日本の認知度は低いですよね。本場イタリアでは朝っぱらから爺さんが酒を飲んで帰り間際にエスプレッソを飲んで出て行く光景を良く見かけました。日本じゃありえないですよね~。
『商空間』、『新しいお金』
『商空間』は名の通り、商売を行う施設を取り上げた内容です。このところの商業施設は多様化して、エンタテイメント性も高くなっていますね。べつにエンタメ度が高ければ良いという話ではありませんが、集客力を高めるのは衣食住以外のコンテンツを提供できるサービス力がないとこの先生き残れないでしょうね。そんな商業の環境について触れたのがこの本です。実例を載せているので説得力があります。けっこう値の張る本なので気軽には読めませんが、内容は充実しているかと思います。
『新しいお金』はEdyやSuicaにはじまる非接触型ICや小売り企業でみかけるポイントなどの電子マネーについて触れた新書です。明日から東京の私鉄・バス系の非接触IC"PASMO”が始まりますが、今後はこの手のモノがどんどん増えていくでしょうね。小売り系でもセブン&アイが独自路線の"NANACO"をスタートさせるので、電子マネー戦国時代になるかと。どこの規格がこの仁義なき戦いに勝利するのでしょうかね? それはともかく、新しいお金という価値基準のあり方についても触れているので、通勤時間の時間つぶしには丁度良いネタになるかと思いますよ。時事的なネタにもなるでしょうしね。